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第65回日本PTA北海道ブロック研究大会旭川大会「記念講演」(抄録)ver.3

平成30年度
第65回日本PTA北海道ブロック研究大会旭川大会「記念講演」(抄録)


 ※北海道PTA連合会及び講師の許可をいただき掲載いたします。

演題「みんながつくる みんなの学校」
~地域の学校にすべての子どもが安心して学び合える居場所を~

講師:木村泰子氏(大阪市立大空小学校初代校長)
プロフィール:大阪市出身。武庫川学院女子短期大学教育学部保健体育学科(現武庫川学院女子短期大学部・スポーツ学科)卒業
2006年に開校した大阪市立大空小学校初代校長

「みんながつくる みんなの学校」を合言葉に、すべての子どもを多方面から見つめ、全教職員のチームの力で「すべての子どもの学習権を保障する学校をつくる」ことに情熱を注ぐ。
学校を外に開き、教職員と子どもとともに地域の人々の協力を経て学校運営にあたるほか、特別な支援を必要とされる子どもも同じ教室でともに学び、育ちあう教育を具現化した。
専門の体育科以外に音楽にも精通、大空小学校校歌の作曲も務めた。
2015年春、45年間の教職歴を持って退職。
現在は全国各地で講演活動、取材対応など多忙な日々を送っている。

講師のコメント

「みんなの学校」全国のパブリックの学校の本名です。

「みんなの学校」の理念は「すべての子どもの学習権を保障する」ことです。

これは、憲法で言われていることと同じで至極、あたりまえのことです。

「みんなの学校」が全国で上映され、関心を持っていただくのは願ってもないことです。
ただ、「みんなの学校」を「いい学校だ」とか、「特別だ」とか、「いいと思うけどできないね」とか言った声が聞こえてくる現実が日本の教育現場の危機的な課題です。

「みんなの学校」は、憲法で定められていることをあたりまえのこととして実践している「普通」の学校です。
だからこそ、全国の学校に「普通のことくらいやりましょう」と声をあげなくてはならないのです。

全国にあるパブリックの小・中学校は、それぞれの地域にある地域の学校です。
その地域に生きるすべての子どもの学習権を保障するのが地域の学校の最優先の目的です。

貧困の家庭の子どもであれ、椅子に座れない子どもであろうと、すべての子どもは地域の宝です。
地域の宝を誰一人排除することなく安心して子ども同士が学び合う場が「地域の学校です」

この1・2年は特に「見えない排除」が巧みな形で起きているような気がしてなりません。子どもは未成熟であってあたりまえです。
子どもの時代から大人の指示を守り大人にソンタクする子どもを「いい子」と評価し、大人の言うことを聞かない子を「ダメな子」と決めつける大人の空気がある限り、子ども同士の関係性は台頭でなくなり、子ども同士の中に「迷惑な子」のレッテルを貼ってしまう関係が生じているのではないでしょうか。

「暴力や暴言を吐く子」が増え、学校現場は困っている現実が急増しています。
言い換えれば、大人が「迷惑な子」をつくっているのです。
「迷惑な子」をつくっている限り学びの本質は生まれません。
「迷惑な子」ではなく「困っている子」だと周りの子どもが感じれば、すべての子どもが育ち合います。

学校に求め、社会に求めても進展しない今の現実を受け止め、気づいた人が自分から自分をほんの少し変えることで、すべての子どものしあわせが見えそうな気がします。
木村 泰子

 

記念講演要旨

「地域格差」理由に20年間、住民の反対運動や「被差別部落がある地域にできる学校に、自分の子や孫を通わせたくない」などのアウェイな空気の中14年前、大空小学校を開校。
当然、PTAなどの組織も立ち上がることなく「なしでいこう」と、1学期間、教職員は「子どもだけ見てたらいい」とスリムな業務をこなす。

秋頃、「何か子ども達のためにやりたい」と組織の立ち上げを伺われる。

「校長の許可をとらないと、勝手に組織を立ち上げてはいけない」というあたりまえ。

この言葉をきっかけに、様々な「あたりまえ」の見直しに着手。

組織名をPTAではなく、SEAと呼称した。「海よりも深い愛」

P ペアレンツ(親)
T ティーチャー(教師)
A アソシエーション(組織)

PTA会長



S サポーター(親だけだはなく地域の大人)
E エデュケーション(学び)
A アソシエーション(組織)

SEAのキャプテン(子ども達の声により呼称改訂)

結果、「キャプテン!」と呼ばれたい父親の志願者数多数。

教職員は雑談・麗しく変換して「対話」を重視して「会議」はなくなる。

「会議はあってあたりまえ」を問い直す。
 

「うまくいかないことがあった」
「指導はしたが、心に響いていない」
「授業をして感想を書かせたら、たった一行「おもろなかった」などの事柄を共有。」


学びから子ども達が10年先に多様な社会で必要なアイデアを生むと信じる。


学力を「見える学力」と「見えない学力」に分けた。

特に「見えない学力」を4つに分類。

①自分らしく表現し、
②自分から自分の考えを伝えて、
③人を大切にすることができ、
④いろいろなことにチャレンジしていく力を義務教育でつけるべき。

ベテラン教員のスキルも大空小「あたりまえ」のない学習環境では全く歯が立たず

座って黙って授業する「あたりまえ」を捨てると、学びの目的以外での苦労が減る。

「わからない」を言えないと「わかった」とも言ってもらえない。

 

トラブルを単に「いじめ」にするか、生きた学びに変えるのか。

加害者と被害者を「つなげる」ことが最も大事


「自分の嫌なことは人にしない。言わない。」これが、たった一つの約束。

 

木村先生「御講演」の金言集

 

「なんか、お金儲からへんでも、自分、ちょっと変われると、大人達ってすごく学びの楽しさを感じるんですね。学びって生涯、楽しいもんなんです。そんな大人達の姿を子ども達は、いーっばい見せつけられるから、「おう!学び楽しいな」って。」


 

「大空9年目には260人の全校生徒の内、50人のほどの特別支援が必要な子どもがいたんですね。なんかいっぱい引っ越してくるから勝手に増えるんです。だから「引っ越してきたらあかんで」って言うために、あたしは全国を回っています。」

 

「子どものための学校やねん。主語を子どもに変えよう。この学校は子どものもんやろ?子どもって地域住民やろ?イコール地域住民のもんやろ?地域住民は地域のパブリックの「学校の土、皆さん方は土なんです。校長、教職員は「地域の学校の風」。何年かは、そこで物言いいますが、異動すれば過去の人。学校の教職員は「風は風の分をわきまえような」って。



 

「大空の大人達が「あんたは、ええ子やで。やってることがあかんねん。やってることを変えるんやで」と、いつも俺に言ってくれた言葉を、俺が大人になったらそういう奴に言うてやらあかん。だから俺は先生にならなあかんねん。」(マサキの母から聞いたマサキの夢)

 

「暗い所から明るい所は見えるが、明るい所から暗い所は探さないと見えない。暗い所はどこだ?と、いつも見れる大人の一人でいてや。」(被差別部落リーダーの言葉)


※次の更新では、記念講演の感想を掲載します。


 
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