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特別天然記念物野幌原始林

特別天然記念物野幌原始林とは

特別天然記念物野幌原始林は、北広島市、札幌市、江別市にまたがって南北にのびる野幌丘陵上にある森林のうち、北広島市の一部が特別天然記念物として指定を受けています。
1873年(明治6年)、開拓使札幌本庁は札幌郡の7か所を官林と定めました。その一つである「野津幌官林」は現在の野幌国有林の範囲を中心とした野幌丘陵一円の地域にあり、南側のおよそ半分は北広島市にあたります。このころの「官林」は特に良林を意味し、当時から優れた森林として知られていたことがわかります。
1921年(大正10年)3月には、現在の野幌森林公園(札幌市、江別市)の一部と北広島市にまたがる範囲の約321ヘクタールが天然記念物として指定されました。それから、1950年(昭和25年)の文化財保護法の制定を受け、1952年(昭和27年)3月29日に同範囲が特別天然記念物の指定を受けました。しかし、1954年(昭和29年)5月の低気圧急発達(メイスト-ム)と9月の台風15号(通称:洞爺丸台風)により指定範囲の大部分が大打撃を受けました。このため、1959年(昭和34年)と1962年(昭和37年)に風倒被害が大きかった48林班(江別市)や56林班(現北広島市)などの指定が解除され、北広島市内の3小班約41.7ヘクタールのみが指定地として残され、現在に至っています。
その後、2019年(令和元年)10月に国有林の北側に隣接する約20.2ヘクタールの範囲が「既指定地に続く落葉広葉樹林二次林が良好な自然回復を呈しており、今後も良好な自然環境となることが期待できる」という理由により追加指定されました。

指定地

  • 国有林3小班(石狩森林管理署59林班ぬ小班、60林班は小班、63林班は小班)
  • 民有地(北広島市西の里30番地3)
  • 市有地(北広島市共栄278番21外14筆)
PDF※指定地の位置図 (1.2MB)

指定面積

既指定面積:417,000.00平方メートル
追加指定面積:202,283.18平方メートル
合計面積:619,283.18平方メートル

野幌原始林の本質的価値

1921年(大正10年)の天然記念物指定時には、指定基準として「植物」の「(二)代表的原始林、稀有の森林植物相」が挙げられています。そして、指定時に行われた三好学博士の調査をもとに、石狩平野に遺存する唯一の原始林であることや、国内に残る代表的な原始林の一つであることが指定理由としてあげられました。また、森林の様子として、針葉樹ではトドマツがもっとも多く、広葉樹ではハリギリ、カツラ、ミズナラ、シナノキ、イタヤカエデ、ホオノキが多いこと、これらの樹木にヤマブドウ、サルナシ、ツルアジサイが付着し、林床にはチシマザサ等が密生していることなどが記載されています。
2019年(令和元年)の追加指定時にも基本的に1921年(大正10年)当時の指定理由が踏襲され、「野幌原始林は、開拓によって消失した石狩平野の自然において遺存する唯一の原生的な針広混交林である」と述べられています。また、追加指定地については「過去に伐採履歴があるものの、その後の回復が良好であり、原生的な森林の拡大・回復において極めて重要な森林である」としています。
野幌原始林は指定から100年以上が経過していますが、当時のような大径木を含む森林は今も見られ、指定に値するような価値が維持されています。一方で、その後の自然環境の推移や森林研究の発展を踏まえると、今日的な価値の評価は以下のようにまとめることができます。

野幌原始林の今日的な価値とそれを構成する要素

要素1石狩平野において、原生的な姿を残す森林の一つである
  • 野幌森林公園とほぼ同等の発達した森林で、平野部のほとんどで失われた森林の姿を残す。
  • 直径1メートルを超える巨木が残る非常に希少な森林である。
要素2多様な樹種からなる発達した森林である
  • 多様な広葉樹の巨木が現在も生育している。
  • トドマツは明治以降の管理で増加し、戦後に台風の影響等により減少しているが、現在も一部エリアに生育しており、この森林を特徴づけている。
要素3追加指定地は原生的な森林の拡大・回復において重要である
  • 追加指定地には湿性林やミズナラ・コナラ林などの多様なタイプの森林が含まれる
  • 二次林・非自然林も含まれるが、多くは自然林に推移することが期待される
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お問い合わせ先

教育部 エコミュージアムセンター
電話:011-373-0188
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