2.25 2月学校だよりから
「夢を持ち、大きな志を抱いて・・」北広島市立広葉中学校長 金森 直人
<1>困難な中、たくましく自己実現に向かう3年生へ
コロナ禍にあっても、Take Actionをテーマに掲げ、「自ら行動を起こそう」「どう工夫したらできるのか」を追求してきた3年生。その真摯な姿から、自律的な人格と感性の豊かさ、そして仲間を大切にする協働と友愛の精神を感じます。「乗りが良く、みんなでわいわい」が大好きな3年生ですから、「距離をとった給食やマスク越しの合唱では、エネルギーを発しきれないだろうに・・」と残念に思っていましたが、「工夫しながら協働し、笑顔する姿」をみると、そんな心配も杞憂で、皆さんの感情の豊かさと旺盛なチャレンジ精神を感じ取ることができました。
平穏で安泰な世の中であれば、考えが及ばなかったこともコロナ禍だからこそ、「主体的に、深く、広く」考え、ネットやSNSだけではカバーしきれない、「対面の大切さ」「コミュニケーションの重要性」等にも気づき、さらに豊かにその感性を磨いてきたのかもしれません。
チャレンジ精神を持ち、困難な時代を自ら切り拓いて行かなければならないみなさん。「自分はどう生きる」を常に問い続け、自分らしさ、豊かな感性を磨き、未来を切り拓いて下さい。どんなに時代が変化し、AIが進化しても、たとえ感染症拡大の危機が暗くのしかかっても、「感性を豊かに働かせながら、志を持って学ぶ」こと、「新たな人生や未来の社会を切り拓くこと」は、人間にしかできません。
夢を持ち、大きな志を抱いて、努力する心や周囲に感謝する心を失わず、個性豊かに飛躍されることを期待しています。
【入試対策に真剣に取り組む3年生】
<2>広葉中学校区の小中一貫教育 推進担当:小野寺海人
R3年度 小中一貫教育の「真価」1)目指す子ども像
「共に学び、共に高め合う子どもたち」とし、「学び合い、関わり合い」を通して小中
9年間の集団の高め合いや個人の成長を目指しました。
2)スタンダード
【平成27年度~】 【令和2年度~】
3)授業実践
本中学校区では、「学び合い教え合い」のある学習活動によって、自尊感情の高まり、表現・活用する学び、成長モデルの獲得といった「異学年の協働」による教育効果を小中一貫のねらいとしました。すべての教科部会(北広島市のキャリア教育である大志学を含む)で、小中合同教科部会を年間10回程度行い、コロナ禍の制限はありながらも、合同授業・乗入授業・小学生の中学校登校・教材や題材を共有したり動画活用による協同学習等、多様な授業を実践してきました。
国語部会 | 社会部会 | 算数・数学部会 | 理科部会 | 音楽部会 | 体育部会 |
日本文化を発信 | 防災教育 | 数と計算 | 体と運動 | 音楽づくり | 倒立 |
図・美・技・家 | 外国語部会 | 保健・食育部会 | 特別支援部会 | 大志学部会 | |
造形遊び・コラージュ | 話す・発表 | おやつ・「かむ」 | 紙すき | 係りの仕事・働く |
【1,2年生の期末テストの様子】
4)成果と課題
〇アンケート結果から、「学校生活が楽しい」「自分には良いところがある」「相手の気持
ちを考え、協力して過ごす」「学校や地域で元気よく挨拶する」「人を思いやれる人間に
なりたい」「きまりや約束を守っている」等、規範意識の高さと意欲的に楽しく学ぼうと
する姿が9年間を通じて高まっています。
〇「小中一緒に活動することがある」「小自分もこんな先輩になりたいとイメージが持て
た」「中一緒に活動する中で小学生をサポートできた」という項目で、特に授業実践でき
た学年の数値が高くなっています。
〇保護者のみなさんには、見ていただく機会が少なかったのが残念ですが、小中合同の授業
で見せる、子ども達の「真剣なまなざし、躍動や笑顔」は、何よりの成果ととらえていま
す。
5)持続可能な小中一貫教育
「積極的に自分の考えや思いを伝える」「目標達成のために困難なことにもチャレンジしている」といった項目では、まだまだ課題があります。「努力することの大切さ」に気づき、意欲的に学びに向かう子ども達が、「失敗してはいけない」とか「この課題は難しくて困難」と歩みを止めてしまっては、成長はありません。「努力の結果・成果は約束されていないが、成長は約束されている。挑戦することこそ大きな成長につながる」という価値観を育成していきたいと考えています。
小中学校の教職員が、年間何度も交流し、語り合い、子どもの成長や授業づくりに「協働」できる中学校区は、管内に誇れるものです。先生たちの「中学校区の特色を生かした持続可能な小中一貫教育を・・」という思いを令和4年度につなげていきたいと考えています。
<3>令和3年度 全国体力・運動習慣等調査(中学校2年生対象)結果より
広葉中学校の男子と女子の結果をグラフで表すと、男子は6種目で全国平均を上回っており、全国・北海全道平均が下回ったものは握力のみでした。女子は5種目で全国平均を上回り、全国・全道平均が下回ったものは握力のみと素晴らしい結果となっております。
しかし、一昨年と比較すると、新型コロナウイルス感染防止のための活動制限が体力に影響を及ぼしてしまっています。運動の好き嫌いでは、全国・全道平均に比べ、女子に「運動が好き」「保体の授業が楽しい」と回答する生徒が多いのに比べ、男子は「運動が嫌い」と回答する生徒が多くなってます。また、「スマホ等」「ゲーム」「TV・DVD」に充てる割合が5時間以上と回答している生徒が全国・全道に対して男子は高く、女子は低くなっております。
今後も本調査による自己の体力診断を進め、自己の課題を設定しながら、時間を有効に活用するなど、心身ともに健康で、たくましい生徒の育成を目指し、体力向上につなげていきたいと思います。