平成30年9月18日(火)市長記者会見
掲載日:2018年9月19日
会場:市庁舎5階 委員会室
発表内容
台風21号及び北海道胆振東部地震の被害状況と対応について
はじめに、このたびの北海道胆振東部地震によりお亡くなりになられた方々に対しまして、お悔やみを申し上げますとともに、台風及び地震により被災されました皆様に心からお見舞いを申し上げます。今なお大曲地区避難所に避難されている方々をはじめ、市民の皆様が一刻も早く元のような生活に戻っていただけるよう復旧に努めてまいります。また、国土交通省、自衛隊、警察、建設関係を含めた災害協定企業の皆様、及び炊き出しをはじめ多くの善意をいただいた皆様に心からお礼申し上げます。
台風21号及び北海道胆振東部地震による本市の被害状況と対応につきまして、ご報告申し上げます。
まず始めに、9月4日から5日にかけて北海道に接近した台風21号についてでありますが、土木事務所の風速計では38.3メートルの最大瞬間風速を観測し、
- 公園、道路、農業用排水路その他の市有施設で倒木が約1,660本
- 防雪柵、防護柵などの道路施設10か所
- 公園施設10か所
- 住民プール5か所
- レクリエーションの森
- 中央公民館
- 広葉交流センター
- 新中の沢排水機場
- 大曲通カーブミラー
- 農業関係では、格納庫、ビニールハウス、畜舎の損壊・倒壊88件
また、市内のゴルフ場におきましても、多数の倒木被害があったところであります。
人的被害につきましては、倒木処理を行っていた市職員2名が負傷したところであります。
り災証明につきましては、13件申請されているところであります。
被害額につきましては、約3億5千万円となっているところであります。
次に、9月6日午前3時7分に発生した北海道胆振東部地震についてでありますが、市内では、震度5弱を観測しております。市では、6日午前3時50分に地域防災計画に基づき災害対策本部を設置し、関係機関と連携しながら、状況の把握や被災された方の避難、復旧作業にあたってまいりました。
被害状況ですが、最も被害が大きかった大曲並木3丁目の一部に家屋の損壊や宅地の陥没など甚大な被害を確認し、6日午前6時37分に、37世帯81人に対し避難指示を発令しております。この地区においては、9日、10日及び12日に宅地82か所及び建物76戸の危険度調査を行い、宅地15か所が危険、18か所が要注意、建物13件が危険、15件が要注意、という結果となっております。10日午前8時45分に避難指示を解除いたしましたが、危険や要注意と判定された土地・建物に住んでおられた方々は、避難所での生活を続けておられます。
被災された方々への支援として、災害救助法による「みなし仮設住宅」制度を適用し、市が借り上げた民間の賃貸住宅について、賃料を2年間無料とするほか、生活再建支援法も適用し、住宅の被害程度や住宅再建方法に応じた支援金を支給する考えでおります。
特に被害の大きい大曲並木地区につきましては、被災原因の調査と復旧に向けた検討を進めるため、有識者の意見を聞きながら、ボーリング調査、測量を18日から始めたところであります。
人的被害につきましては、7名の方が負傷され、うち1名が重傷、6名が軽傷となっております。
道路につきましては、9月12日現在、市道西の里中央線、音江別高台線など4路線で地割れや沈下などで通行止めや片側交互通行となっており、その他の道路においても、9月14日現在、陥没や沈下などの被害が45か所発生しております。
公園・緑地につきましては、青葉第2緑地の法面が幅35メートルに亘って崩落しております。
河川につきましては、大曲川で崩れた土砂により河道が塞がる被害が発生しております。
農業分野におきましては、大曲と富ケ岡で農地が崩落、島松と富ケ岡で地割れを確認しております。また、長時間にわたる停電により、生乳14トンを廃棄するなどの損害が生じているところであります。
商業、製造業及び物流につきましては、停電により大きな影響を受けましたが、順次再開しているところであります。
ホテル、観光施設につきましては、利用者が大幅に減少している状況でありますが、一時休業していた施設もすべて営業を再開しているところであります。
電力につきましては、6日夜に西の里地区の一部での復旧をはじめとして、7日の23時47分に市内全域で復旧しております。
避難所につきましては、6日に市内6か所に開設し、現在は大曲地区のみ開設しております。
小中学校につきましては、学校施設及び通学路の安全を確認するため、6日と7日を休校、8日土曜日に行事を予定していた小学校も休校とし、10日から登校を再開しております。
公立保育園は10日から、学童クラブは12日から、それぞれ安全を確保し、開園、開所しております。
り災証明につきましては、105件申請されているところであります。
これら全ての被害額として、約20億円となっているところであります。
現在、市では災害に関する市民相談窓口を設置し、被災された方からの様々な相談等への対応を行っております。お困りのことにつきましては、お気軽にお問い合わせいただきたいと思っております。
また、14日から市内被災者の方への義援金の受け付けを行っております。
市といたしましては、引き続き、被災された方への支援に全力を挙げて取り組みますとともに、復旧に向けた対応もあわせて実施してまいります。
(補足:学童クラブについて、10日及び11日は一部の施設で予定より時間を早めて開所しており、通常どおりの開所が12日からとなっております。)
質疑応答(平成30年9月27日掲載)
市の対応について
質問
市長は大曲並木3丁目のエリアには実際に足は運んだのでしょうか。
回答
地震が起きたその日、避難場所に行き、被災した地区を見ました。避難している方とはお話しできました。
質問
市の対応のスピード感について、どのように認識していますか
回答
市役所職員をあげて対応しているところですが、一部不信感を持たれるようなことがあったと伺っています。そのことについては被災された皆さんにお詫びを申し上げたいと思っています。これからまた様々な対応を真摯に取り組んでまいります。
応急危険度判定について
質問
危険とか要注意と判定されたのは何世帯何人か、またそのうち避難所で生活を続けているのは何世帯何人か教えてください。
回答
大曲並木地区の該当する建物は合計で76棟。そのうち調査済み・被害が少ないとされたものは48棟。要注意・十分注意とされたものが15棟。危険と判定されたものが13棟あります。土地については全部で82宅地のうち調査済みが49、要注意が18、危険が15という内訳になっております。今回の判定を受けたうち11世帯19名の方が現在避難所で生活されています。
質問
危険とか要注意と判定された方々の世帯数・人数を教えてください。
回答
応急危険度判定の危険13棟に対しては12世帯25名、要注意15棟は17世帯36名です。
質問
危険と判定された住宅で全壊、半壊の棟数の内訳はありますか。
回答
り災証明の交付状況では、昨日(9月17日)まで市全体で現在全壊が13棟、半壊は5棟一部損壊が57棟です。
質問
このうち大曲並木地区は何棟ですか。
回答
全壊13棟は大曲地区の応急危険度判定での危険13棟です。
ボーリング調査・測量調査について
質問
ボーリング調査と測量調査はいつ頃までに終了する予定なのか、それに対する住民への説明会などはあるのでしょうか。
回答
調査は秋には終わる形になると思います。その後の対応等についてはできるだけ速やかにと考えています。ある程度まとまりましたら、早い段階で説明会を開催したいと考えています。
質問
ボーリング調査は何か所ですか。
回答
まずは測量して過去の地形と比較して、適切な箇所にボーリングを設置するので、調査の段階で確定するということになります。
質問
液状化の問題は今後の調査を待ってということになるんでしょうか
回答
土質調査や測量調査を行っておりますので、その結果を見てからになります。液状化の可能性については、専門家に調査をしていただかないと判断できないという状況です。
質問
道総研の地質研究所が速報で分析を出されていたと思いますが、その状況は市も確認しているんでしょうか。
回答
本日(9月18日)から地質調査、測量調査に入っていますが、こういった変動を確かめるためにも調査を開始しているところです。報道の中で色々な方が話をしていますが、当市としても地震に詳しい専門家の方に現地に入ってもらって状況を掴んでいます。
宅地造成について
質問
大曲並木地区は造成地ということですが、市が造成の許可を出した時期と、その時点での土地の危険性や陥没する可能性の認識があれば教えてください。
回答
大曲並木地区全体のエリアは昭和47年から48年にかけての民間の造成で、当時は北海道の許可のもと作業が進められております。今回被害が大きかった地区については、また違った事業者によるもので、これより遅い時期の造成になっております。当時の経過を踏まえて書類等の精査をしながら今回の調査と並行して調査を行っています。
質問
宅地造成について、宅地造成等規制法に基づいて宅地造成工事規制区域として北海道知事の許可を得て工事を行ったということですが、そのような手続きを経た書類は残っていますか。
回答
大曲並木の区域の一部は知事が許可したということで残っていますが、全体を把握するためにはもう少し調査が必要だと思っています。
質問
北海道の許可を受けて昭和47、48年の造成のあとにまた別の民間業者が宅地造成をしたとのことですが、それは何年ごろですか。
回答
昭和50年を中心に売買されているような状況です。
復旧について
質問
民間の建て替え、修復について市はどの程度補助や支援をしていくのか、今の段階でどう考えていますか。
回答
国の災害関係の助成金があるので、現在その活用を考えておりますが、調査結果によりましては、また別のことも考えなければいけないと思っています。
質問
復旧の対象は、もちろん市道はあると思いますが、護岸とか民間業者が造成した宅地、そういうものすべて含まれて一帯として復旧の対象になるというこういうことでしょうか。
回答
今は、まず調査をするということと、住宅地にするとしたらどういう手法が考えられるかということになります。土地所有者についても十分希望を叶えて、宅地にするのか、別なところにするのかという課題がありますので、調査結果によりまして、それぞれ個別に対応していかなければいけないと考えております。
住宅支援について
質問
避難されている方への民間住宅の手配について、今後の目途は。
回答
災害救助法が適用になりましたら、直ちに物件を紹介するように準備を進めていますので速やかに対応していきたいと考えています。
質問
市が借り上げる民間の賃貸住宅は、北広島市内ということですか。
回答
被災者の方の希望によって、市外も含めてという考えでおります。
質問
現在つなぎの代替住宅を希望されている方は何世帯何人いますか。
回答
現在仮設住宅を希望されている方は11世帯です。世帯単位で聞き取りをしているので、人数は把握しておりません。
質問
市では市営住宅や道営住宅など公的な住宅は何戸か用意できるんですか。
回答
公営住宅はある程度用意はしていますが、大曲地区に関しては公営住宅が無いので、民間の賃貸住宅で対応していただくという考えで準備をしています。
質問
みなし仮設住宅制度を利用し、仮設住宅や応急仮設住宅は建設しないということですか。
回答
用意できる公的な住宅が大曲地区にないので、それを市で建てるということは考えておらず、民間の住宅を活用させていただきたいと考えております。
質問
用意できる棟数は。
回答
避難をされた方に希望を伺っていますので、その中で今後民間の方から提供していただける物件をマッチングさせることになります。棟数については、希望される方により多くの数の情報を用意させていただいて、その中で、例えばペットと住める、バリアフリー対応など、できるだけご希望に沿えるように、今は探せるだけ探しているという状況です。
市の瑕疵・責任について
質問
大曲並木3丁目の区域について、市として現在瑕疵があったと考えていますか。
回答
専門家によって調査中なので判断は難しいです。
質問
あの辺りは市の土地ではありませんが、市に責任があるものなのか、全くないのか、どのように考えていますか。
回答
当時の開発の状況を精査しなければ判断は難しいです。
札幌市との連携について
質問
大曲並木地区に隣接する札幌市里塚地区の液状化が問題になっていますが、あそこまで直線距離でどれくらいなんでしょうか。
回答
約2キロです。
質問
札幌市と隣接していて被害状況が類似しているという点で、札幌市と協議しながら支援を進めていくのでしょうか。
回答
隣接していますし、同じ状況だということなので、それぞれ情報交換はしなければならないと考えております。
質問
3年前に札幌市から川の浸食で大丈夫かどうかという問い合わせがあったと聞いていますが、これは事実ですか。
回答
事実は確認できていません。札幌市に確認しているところです。
ボールパーク構想への影響について】
質問
札幌市は2026年冬季五輪撤退を表明して復旧復興に全力をあげるということですが、北広島市もボールパーク構想を抱えていますが地震によって構想への影響は生じていませんか。
回答
災害復旧には全力で取り組まなければならないと考えていますが、ボールパーク構想についても推進は予定通り進めていきたいと考えます。災害発生後も球団とは情報の共有をしておりまして、今のところではありますが当初の予定通りでいくという考えでおります
被害額について
質問
被害額20億円の内訳を教えてください。
回答
被害額の内訳については、道路、商業施設、農業施設、教育施設等合わせて約10億円、それから民間の宅地の崩壊、住宅の全壊等合わせたものが約10億円で20億円程度の被害額となっています。
質問
被害額が20億円だと明らかになったことについて、それに対する受け止めを教えてください。
回答
これまで川、雨の災害はありましたが、市民の皆さんが被災された、これほど大きな規模の地震災害はありませんでした。全力で復旧復興に向けて取り組んでいきたいと考えています。
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