西の里白樺林
掲載日:2009年3月5日
西の里に残された白樺林
市街地に隣接する自然の林を市民が守った
国道274号から西の里白樺通に入り、西の里公園に沿ってまっすぐ進むと、並木道は森に突き当たって左に折れる。そこに広がる自然林は「西の里白樺林」と呼ばれている。この白樺林は住民の保存運動によって残された貴重な林地である。
昭和50年(1975年)5月7日の北海道新聞によると、西の里団地に住む人々が49年春から展開した保存運動に応え、秋には北海道と町が立木を買取して林地はそのまま保護されることになったという。しかし、そのいきさつを知らない事業者などが林内に土砂やごみの不法投棄をした。そこで地元町内会では回覧板で注意を呼び掛けるほか、町と協力して監視を強めなければと懸念している…という当時の様子が、白樺林の写真とともに掲載されている。
四半世紀前の保存運動によって残された西の里白樺林。この身近な記憶は、林の美しさ、防風林の役割、自然保護と開発の選択など、多くの今日的課題を私たちに問い続けている。
北広島の夏。林内に緑色の葉が茂り、生命の営みが最高潮に達する。白樺林の縁を歩くと、木陰から涼しい風が吹き抜けてきた。林内を見ると、そこに光が留まっているような錯覚にとらわれた。
「写真:夏の「西の里白樺林」」